最終更新日 2021年7月21日 by タイランドピックス編集局
サハグループの概要
サハグループ(英:Saha Group)とはタイ王国最大の消費財メーカー「サハ・パタナ・インターホールディングス」を主軸とする小売・消費財系の財閥企業です。グループ企業約300社、社員数10万人、総売上高1兆円を超えるコングロマリット。セントラルグループ、CPグループ、Red Bullグループ(CTP)、キングパワーグループ、タイビバレッジグループ(TCC)と並ぶタイを代表する大手財閥です。
1942年、華僑二世で創業者であるティアム・チョクワタナー(李興添)氏が中国雑貨の輸入販売店から起ち上げ、その後息子のブンヤシット・チョクワタナー氏が事業を引き継ぎ拡大させ、現在では飲食料品をはじめ、日用品、化粧品、衣料品などの消費財や物流、工業団地運営など12の分野で事業展開しています。ブンヤシット氏は、日本での就労経験があり、早稲田大学名誉博士号を取得。1967年のライオンとの合弁会社設立を皮切りに、数々の日系企業と提携。
親日派として80社以上の日系企業との共同事業を推進しており、1967年にライオンと提携しシャンプーなどを販売、1970年にはワコールの下着の販売開始、近年ではローソン、グンゼ、イトキン、ツルハドラッグ、コメ兵、住友商事、セコムなどと業務提携しています。また、タイ東部のシラチャを重点開発しており、日本人学校シラチャに土地を寄付したり、周辺地域を東急電鉄と宅地開発を行い、日本人向けの賃貸住宅や商業施設「Jパーク日本村・シラチャ」を運営しています。
一方で、自社商品としてはタイの即席麺市場で50%超のシェアを握る「ママー」や洗濯用洗剤「パオ」など国民的ブランドを保有しており、タイ人が毎日手に取るもの中には、サハグループの製品が必ず3つや4つは含まれていると言っても大げさはありません。国内の即席麺市場の飽和状態に伴い、近年はミャンマー、カンボジア、バングラディッシュ、ハンガリーなどへ海外進出を強めています。また、国内ではホテルやコンドミニアム開発、インターナショナルスクール「キングスカレッジバンコク」運営、スマートグリッド、日本のブランド「くまモン」へ力を入れてます。
主要企業
サハ・パタナ・インターホールディングス(Saha Pathana Intl holdings/SPI)
SPIはサハグループ関連会社25社の株式を保有する事業持ち株会社で、工業団地運営や事業投資を行います。日本の総合商社双日と共にシラチャ工業団地、カビンブリ工業団地、ランブーン工業団地、メーソート工業団地などを運営。単体での売上高は90億円、時価総額は約1,300億円でタイ証券取引所へ上場しています。
タイ・プレジデント・フーズ(Thai President Foods)
タイプレジデントフーズは同国最大のインスタントラーメンメーカーであり、90を超える認知度の高い消費財ブランドを展開します。特に、主力製品「ママー」は市場規模500億円の内50%のシェアを占める大ヒット商品です。単体での売上高は700億円、時価総額は約1,800億円、従業員数4,000名でタイ証券取引所へ上場しています。日清食品HDが株式16%を出資。
サハ・パタナピブン(Saha Pathanapibuil)
サハパタナピブンはコンビニストア「ローソン」を展開するサハグループの最大の企業です。2012年にローソンと合弁事業サハローソンを設立し、当初運営していたのコンビニ「108ショップ」600店舗の1部を「ローソン108」にリブランドしてスタートし、2021年現在は133店舗を展開します。近年は公共交通機関BTS駅内部へ集中出店し、競合のCPグループ「セブンイレブン」、セントラルグループ「ファミリーマート」を追撃します。単体での売上高は約1,000億円、時価総額は約600億円でタイ証券取引所へ上場しています。
ICCインターナショナル
ICCは消費財事業を統括する中核企業でワコール、ライオン、ツルハドラッグなどを傘下に抱えます。単体での売上高は約400億円、時価総額は約400億円でタイ証券取引所へ上場しています。Eコマース分野でLAZADAと提携し日用品やアパレルなどのオンライン販売を強化しています。
タヌラックス(Thanulux)
タヌラックスは1975年設立のメンズアパレル、ウィメンズアパレルを扱う衣料・皮革製品メーカーです。Daks、MORGAN、ELLE、ARROWなどライセンス商品も多く取り扱います。単体での売上高は約60億円、時価総額は約80億円でタイ証券取引所へ上場しています。
企業概要
英語名 | Saha Pathana Inter-Holding Plc |
---|---|
タイ語名 | บริษัท สหพัฒนาอินเตอร์โฮลดิ้ง จำกัด |
本社 | バンコク |
創業年 | 1916年 |
創業者 | ティアム・チョークワタナ(李興添) |
業種 | 小売卸・消費財 |
売上高 | 約N兆円 |
従業員数 | 10万人 |
主要子会社 | 3,000億バーツ(2018)*グループ全体 |
公式HP | |
SET銘柄 |
関連書籍
[itemlink post_id=”2167″]タイ王国は典型的な華人経済であり、あらゆる産業が財閥企業によって支配されていることはご存知でしょうか? 1990年以降、東南アジアの華僑系企業の多くが、祖業で得た利益を積極的に再投資に回し、事業を積極的に多角化させ有数のコングロマリットグループへと成長しました。現在では、中華資本の伝統的財閥グ...
外部参照