「サイアム・セメントグループ」の解説|国王が筆頭株主を務めるタイ王室系財閥

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最終更新日 2021年7月7日 by タイランドピックス編集局

サイアム・セメントグループの概要

サイアム・セメントグループ(英:Siam Cement Group)は1913年に国王ラーマ6世の命によって設立された、セメント事業を主軸とするタイ王国王室系の財閥企業です。元来、タイ王室財産管理局が出資していましたが、2018年よりワチラロンコン国王(ラーマ10世)がサイアム商業銀行株と共に個人名義で30%を保有。3事業(セメント・製紙パルプ・石油化学)、グループ企業100社、従業員5万人からなる、売上高1,5兆円、時価総額1,7兆円のタイ有数の名門コングロマリットです。

当初はセメントを中心とする建設資材メーカーとして発展し、その後製紙事業(現在のパッケージ事業)へ展開。さらに、石油化学、自動車関連、機械、家電への多角化や国際展開を進め、”SCGはタイの製造業の歴史そのもの”とまで言われました。しかし、1997年のアジア通貨危機による経営悪化から、事業再編を進め、経営資源をコアビジネスのセメント・石油化学・製紙への集中させ、現在の純粋持株会社と傘下の事業会社体制へと移行しました。

日系企業と関係が深く、トヨタ(トヨタ・モーター・タイランド)、クボタ(サイアム・クボタ)、トッパン(サイアム・トッパン・パッケージング)、レンゴー(タイ・コンテナーズ)、日本製紙(サイアム・ニッポン・インダストリアルペーパー)、ヤマト(SCGヤマトエクスプレス)、三井化学(サイアム三井PTA)など業界トップと業務提携しています。

2010年台から東南アジアを中心に国外事業の強化を急いでいおり、インドネシアの石油化学「チャンドラ・アスリ」や包装資材「ファジャール・スルヤ・ウィセサ」、ベトナム初の石油コンビナート「ロンソン石油化学プラント」やプラスチック包装大手「ズイタン・プラスチックス」などを買収しています。現在、SCGはベトナムで包装資材、セメント、石油化学製品の3事業に注力し、子会社20社余りを運営しています。

 

主要企業

SCGパッケージング(SCG Packaging/SCGP)

タイ_SCGパッケージング(SCG Packaging_SCGP)_タイランドピックス

SCGパッケージングは中核3事業の1つで、タイ最大の包装資材会社です。2015年に製紙業を担うSCGペーパーから社名をSCGパッケージングに変更。タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン4カ国で40の工場を有し、東南アジアにおける段ボール販売シェアが36%に達する首位包装資材メーカーです。2020年に新規株式公開(IPO)を果たし、2021年には英国ゴー・パックUKの買収を通じて、英国、欧州、北米にも市場を拡大していく予定です。2020年の売上高は927億バーツ。

SCGケミカルズ(SCG Chemicals/SCGCh)

タイ_SCGC_サイアムセメントケミカルズ_タイランドピックス

SCGケミカルズは中核3事業の1つでタイ最大の総合石油化学企業の1つです。同社はオレフィンなどの上流の石油化学製品、スチレンモノマー、PTA、MMAなどの中間石油化学製品から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン樹脂などの下流の石油化学製品に至るまで、あらゆる種類の石油化学製品を製造および供給しています。石油化学事業は同社収益の5割を稼ぐ基幹事業です。2020年の売上高は1,468億バーツ

SCGセメント-ビルディング・マテリアルズ(SCG Cement-Building Materials)

タイ_SCGセメント-ビルディング・マテリアルズ(SCG Cement-Building Materials)_タイランドピックス

SCGセメントビルディングマテリアルズは中核3事業の1つで、セメント及びその他建築資材の製造・卸を行う企業です。セメント・建材が同社収益の3割を占めています。2020年の売上高は1,717億バーツ。

 

企業概要

英語名 Siam Cement Group
タイ語名 ปูนซิเมนต์ไทย
本社 バンコク
創業年 1913年
創業者 ラーマ6世(ワチラウット王)
業種 化学・セメント・製紙パルプ
売上高 4,370億バーツ(2019年)*約1兆5,000億円
従業員数 51,120人
主要子会社 SCG Chemicals・SCG Packaging・SCG Cement-Building Materials
公式HP
SET銘柄

 

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