最終更新日 2021年7月7日 by タイランドピックス編集局
バンコク・ドゥシット・メディカルの概要
アジア有数の株式会社病院チェーン
バンコク・ドゥシット・メディカル・サービシーズ(Bangkok Dusit Medical Services)(通称BDMS)はタイ王国最大の民間病院運営会社です。タイ株式市場に上場しておりSET50 Indexの採用銘柄です。また、株式会社病院としては世界TOP5の時価総額を誇ります。
タイ国内では「バンコク病院グループ」「サミティヴェート病院グループ」「BNH病院」「パヤタイ病院グループ」「パウロ記念病院」「ロイヤル病院」など、6つの主要病院グループを運営しており、民間医療業界を寡占する医療系財閥として知られています。中でも、バンコク病院、サミティヴェート病院、BNH病院の3つはタイ最高級クラスの国際病院であり、在住外国人医療の受け皿としては勿論、海外からのメディカルツーリズムの代表病院として有名です。
その他にも、海外ではカンボジア、ベトナム、バングラデシュ、アブダビに病院を保有し、国内外50を超える医療施設等を構え、その総ベッド数は約1万床規模です。2020年には20%の株式を所有する競合「バムルンラード国際病院」の全株式取得を目指しましたが、コロナウイルス蔓延による収益悪化で断念し、その後全株を売却。
BDMSグループ成長の歴史
BDMSグループは、タイ人の外科医プラサート・プラサートトーンオーソト氏が現在のバンコク病院を設立した事から始まりました。2013年には米経済誌FORBESが発表するタイの株長者番付で首位,、2018年のタイ長者番付でも1位となっています。同氏は息子プティポン氏が経営するタイ民間航空会社バンコクエアウェイズの株式を11%保有する大株主でもあります。
その後、72年に早くもグループ名を現在のBDMSに改め、新設や買収・合併を進めます。プラサート氏の抜きん出た点は、最先端の医療や多国籍言語に対応できるよういち早く設備や通訳を配置した点でしょう。近年は老齢医療や予防医療、小児医療などにも力を入れ専門機関を設立しています。
患者の満足度向上のみならず、海外からの医師、技術や設備の導入にも積極的で、時代の先取りを目指す姿勢はどこまでも貪欲です。これにより、海外からの富裕層を患者に取り込むことに成功し、メディカルツーリズムのリーディング企業として名を馳せました。
BDMSグループの経営戦略
BDMSはメディカル・ ツーリズムに比重を置きつつも、上場会社として効率的な病院経営モデルを確立しています。5つの地域にそれぞれ中核となる”ハブ病院”を配置し、その周辺の病院をネットワーク化する「ハブアンドスポーク」戦略によって、医療スタッフや医療機器など効率的に配置しています。
また、患者の所得水準と提供する医療レベルによって病院ブランドを分ける戦略をとっており、いずれも中間所得層以上をターゲットとしています。例えば、バンコク病院では超高度医療に対応な医療水準を誇り富裕層外国人にフォーカス、またサミティベート病院とBNH病院はは3次医療(特殊先進医療)まで対応した外国人とタイ高所得層へ。そして、パヤタイ病院では高度医療をタイ中間層へ届けるポジションです。
国内拡大路線を取っており、タイ東部を中心に病院チェーンを展開し、ここ最近もM&Aで傘下の病院数を増やしています。2016年にはバンコク都内の「スイスホテル・ナイラートパーク」を買収・改装し、予防医療を目的とした「BDMSウェルネスクリニック」をオープン。最新の再生治療クリニック、理学療法施設などを備えています。
1. BDMS御三家の代表格:バンコク病院グループ
グループ中核を成す東南アジア最大級の総合病院
バンコク病院グループは、タイ初の私立病院として1972年に設立されたBDMSの中核病院です。タイ全土の主要都市に40か所に拠点を展開します。
メインの「バンコクゼネラル病院」は、ニューペッブリー通りとラーマ9世通りの中間あたりに位置し、バンコク随一の医療水準、医療費、知名度を誇ります。現在3つの建物で構成されていて、設立20周年を記念して建てられたD棟には12手術室に80検査室、550床を備え、一日2500人の患者サービスを提供。12の専門診療センターがあり、24時間体制で手術可能。
この病院は医療ツーリズム患者をターゲットにしており、グループ全体の売上の約3割を、中東や日本、中国、韓国などの外国人受診が占めています。性別、国籍、宗教などに応じて、言語や食事などの面できめ細かい配慮が施されており、他民族国家タイならではのサービスが行なわれています
バンコク病院には日本人専門のマーケティングチームがあり、日本人専門の医療セクション「ジャパンメディカルサービス」を運営しています。日本語診察が可能な医師が20名以上、日本語通訳18名が勤務しており、タイ医師免許を取得した日本人医師も常勤。通訳者が24時間常駐しており、日本語コールセンターも24時間相談を受け付けています。
バンコク病院の概要 1972年創立のバンコク病院グループは、タイ王国内に29病院、近隣諸国にも分院を有する東南アジア最大かつ最高水準の民間病院グループです。世界的に名高い医師、最先端の技術、そして優秀な看護スタッフが最高レベルの医療サービスを提供しています。サミティベート病院、BNH病院、パヤタイ...
2. BDMS御三家:サミティヴェート病院グループ
スクンビット病院は日本人が全体患者の2割を占める邦人御用達病院
サミティベート病院グループは、バンコクとシャラチャーに8拠点を持つ、内科、外科、小児科、産婦人科、歯科なども備えた総合私立病院です。1976年に開業し、その後M&AによってBDMSグループに参画。
バンコクの「サミティヴェート病院スクムビット」は日本人居住街であるトンローのスクムビット通りソイ49に位置します。日本人医療センター、産婦人科、小児科(サミティヴェートこども病院)は駐在員家族からの評判が高いです。日本人相談窓口には25人の日本語通訳を擁し24時間で日本語サポートを無料で受けることが可能です。年間のべ14万人、一日約400人の日本人患者が受診する日本人御用達病院です。
サミティベート病院の概要 バンコクの日本人街で邦人医療の最前線を担う国際病院 サミティベート病院グループは、1974年設立のタイ王国バンコク(スクンビット・チャイナタウン・シーナカリン)とシャラチャーに合計7拠点を持つ、内科、外科、小児科、産婦人科、歯科なども備えたタイ王国の高級国際病院です。グ...
3. BDMS御三家:BNH病院
ホテル並の高級感が漂う100年の歴史を持つ老舗病院
BHN病院は1898年創立の100年以上の歴史を有する名門老舗病院です。バンコクのビジネス街シーロム・サトーンエリア位置します。日本語の医療通訳が常駐しており、受付、診察、会計まで全面的にサポートしてくれます。
ヘルニアや腰痛、あらゆる脊髄系疾患に対応するスパインセンターが評判の脊椎専門クリニックと、不妊治療の権威を擁する産婦人科外来「BICセンター」が非常に有名です。乳がんを抱える女性のケアにも重点を置いています。
企業概要
英語名 | Bangkok Dusit Medical Services |
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タイ語名 | บริษัท กรุงเทพดุสิตเวชการ จำกัด (มหาชน), |
本社 | バンコク |
創業年 | 1969年 |
創業者 | Prasert Prasarttong-Osoth(プラサート・プラサートトーンオーソト) |
業種 | 私立病院チェーン、薬局の医療コングロマリット |
売上高 | 680億バーツ*2020年 |
当期純利益 | 72億バーツ*2020年 |
従業員数 | NA |
主要子会社 | Bangkok・BNH・SAMITIVEJ・Paolo・Payathai |
公式HP | |
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