最終更新日 2021年7月7日 by タイランドピックス編集局
CPグループの概要
CPグループ(英: Charoen Pokphnad, 中: 正大集団)は、1921年創業のチャロン・ポカパンの頭文字を冠するタイ王国の架橋系大手財閥企業です。バンコクのシーロムに本社ビルを構え、世界20ヶ国に関連企業400社、グループ総売上約7兆円、従業員約40万人を擁するタイ最大民間企業です。セントラルグループ、Red Bullグループ(TCP)、タイビバレッジグループ(TCC)、キングパワーグループと並ぶ5大財閥の一つ。
創業家チャラワノン家初代の謝易初は中国広東省潮州出身で、1896年に生育が早く収穫量の多い良質の野菜の種をタイに持ち込み、この販売から事業を興し大規模ブロイラー事業で大成功を収めました。今日では、タイ最大のコングロマリットと言われ、農業・食料品を中核事業として、通信、不動産分野にも精力的に進出し、全部で8つの分野に事業展開。中でも、冷凍ブロイラー、冷凍エビ、天然ゴム、包装米などの製造と輸出からなる農業・食品、「7-イレブン」に代表される近代小売業、携帯電話を主力とする情報通信業の3つを事業基盤としています。
また、中国へ積極的に進出しており、中国事業はCPグループの40%近い売上高を占めており、正大集団(Chia Tai Group)として知られる最古・最大の外資系企業でもあります。その他、ロンドン証券取引所にも上場するタイ最大の多国籍企業です。2014年より日本の総合商社の伊藤忠商事と対等戦略的パートナーシップを結んでおり、同社の株式4.7%を有する筆頭株主でもあります。共同で中国最大手コングロマリットの中国中信(シティック)の株式20%を取得したことは過去最大の対中案件として大きなインパクトを与えました。
フォーブス2020年版の長者番付では、創業家のタニン・ジラワノン会長はタイ1位で資産総額135億ドル(世界81位)の大富豪です。
主要企業
傘下には大小系列企業は400社以上がありますが、主要企業を紹介します。
CPフード(CPF)
CPフードはグループの中核企業で、タイ国内最大の農業・工業・食品企業です。単体での売上高は約1兆7,000億円でタイ証券取引所に上場、時価総額は約7,000億円規模、従業員数25,000人の大企業です。飼料とエビの世界最大生産者であり、鶏肉や豚肉も世界トップ3に入ります。近年では植物肉を発売し2022年にアジア首位の代替肉ブランドに育てることを目指しています。収益の約70%は海外事業である国際企業。
正大集団(Chia Tai Group)
正大集団(チアタイ)は食品、農業、二輪組み立て、金融などを展開する中国事業の統括会社です。1978年に中国が対外開放政策を始めるとCPは真っ先に中国に進出し、今日では「正大」という名前を知らない中国人はいない程の有名企業です。子会社の「卜蜂莲花(CP Lotus)」は70店の店舗やショッピングセンターを運営する小売企業です。単体での売上高は約9,000億円(500億元)。
CPオール(CPA)
CPオールはCPFと並ぶグループの中核小売企業です。単体での売上高は約1兆6,000億円でタイ証券取引所に上場し、その時価総額は2兆円を越えます。タイ国内にコンビニエンスストア「セブン―イレブン」を1万1,983店(2020年)を展開し、タイコンビニ市場のシェア80%を占めています。近年はラオス、カンボジア、中国など隣国に進出。その他、会員制卸売りチェーン「マクロ」(売上高6,000億円)や英小売り大手「テスコロータス(Lotus’s)」のタイとマレーシア事業なども傘下に収めています。
CPランド
CPランドはグループ会社の不動産管理、コンドミニアム開発、ホテル経営などが主要業務です。ホテル事業は「フォーチュンD」ブランドの小型ホテルを展開。
マグノリア・クオリティー・デベロップメント(MQDC)
MQDCはタイ有数の不動産デベロッパーで、特にバンコク都心区における中~高級路線の住宅・商業開発を得意としています。サイアムピワット社と共同でチャオプラヤ川西岸地区の複合不動産プロジェクト「アイコンサイアム」や「マンダリン・オリエンタルレジデンス」などを手掛けています。
トゥルー・コーポレーション(TRUE)
TRUEはタイ最大級の携帯・固定電話の通信事業者です。単体での売上高は約4,700億円でタイ証券取引所に上場。主要サービスは、固定電話、携帯電話事業、ブロードバンドサービス、有料放送事業、Eコマース、オンライン決済、エンターテイメント、コンテンツサービスなど。特に携帯電話事業ではタイ三大キャリアの一つして有名で、AISについで業界2位。1993年タイ証券取引所に上場。
また、2019年にはBTSプナウィティ近くにテクノロジーハブ「Ture Digital Park」を開業。その他、スタートアップ向け投資・育成事業を行うCVCのTrue Incubateなど。
SAICモーター-CP
SAICモーター-CPは中国の大手自動車メーカー上海汽車との合弁会社で英国「MG」の自動車の製造販売を行っています。2014年にチョンブリで生産を開始し、現在のタイの国内シェアはのトヨタなど日本メーカーに次いで第6位。日本車がシェアの9割近くを占めるタイ市場の中で、EVやPHVを通じて存在感を高めつつあり、電動車市場でのトップシェアを目指しています。2021年よりMGブランドのスマホ端末の販売を開始。
企業概要
英語名 | Charoen Pokphand Group Co., Ltd. |
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タイ語名 | เครือเจริญโภคภัณฑ์ |
本社 | バンコク |
創業年 | 1921年 |
創業者 | 謝易初(チエンワノン家) |
業種 | 農業、小売、通信、不動産のコングロマリット |
売上高 | 約6,8兆円*グループ全体 |
従業員数 | 40万人 |
主要子会社 | True Corporation/CP Food/CP ALL/Siam Macro/Tesco Lotus |
公式HP | |
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