最終更新日 2021年7月7日 by タイランドピックス編集局
TCPグループの概要
TCPグループ(英:T.C. Pharmaceutical)はエナジードリンク「レッドブル」の製造販売をを中核とするタイ王国の飲料系財閥企業です。セントラルグループ、CPグループ、タイビバレッジグループ(TCC)、キングパワーグループと並ぶ5大財閥の一つ。
創業者のチャルーム・ユーウィッタヤー氏は医薬品のセールスマンを経て、1956年に製薬会社TC Pharmaceutical Ltd.を設立。同社は医薬品から消費財まで製品範囲を拡大し「タトゥー」という化粧品ブランドでデビューしました。その後、エナジードリンク市場に目をつけ現レッドブルの源流となる「Krating Daeng(グラティンデーン)」を投入。当時はOsotspa(オソサファ)と大正製薬が合弁で販売する「リポビタンD」の天下だったものの、低所得者層を狙った価格設定に加えて、キャップと引き換えのプレゼントなど、タイ初の画期的なマーケティング方法でブランドの認知度を高めました。
その後、1984年にオーストリア人実業家のディートリッヒ・マテシッツ氏と合弁事業を開始。その後、国際販売権を獲得し、独自の配合で数年をかけて改良を行い、1987年に今日の青いボトルの国際版「Red Bull」を行うオーストリア版レッドブル社が設立されました。現在、”国際版”レッドブルはエクストリームスポーツやEスポーツなどイベントへのスポンサー活動を精力的に行なっており、若年層の支持を得ています。
2018年にTCPはレッドブルなどの飲料事業、マーケティング事業、自動販売機事業、ロジスティクス事業など5社を持ち株会社に統合し、現在同社は現在5つの食品飲料カテゴリーで8つのブランドを展開しています。タイのエナジードリンク市場は世界5位の規模を有する中、レッドブルとグラティン・デーンの2製品で市場の50%を占めています。今後は東南アジア全域で事業拡大させる為に30億バーツを投資する予定です。
TCPグループの筆頭株主のユーウィッタヤー家のチャルーム氏は米フォーブス誌の長者番付でタイ2位の大富豪として有名です。現在の資本構成はディートリッヒ氏がレッドブルの49%の株式を保有、49%はユーウィッタヤー家の11の家族、残りの2%は創業者チャリアオ・ユーウィッタヤーの長男であるチャレルム氏が保有しています。
主要企業
TCファーマシューティカル(T.C. Pharmaceutical Industries)
TCファーマは1978年に創業された食品・飲料の製造業者および輸出業者を行うグループの中核企業です。「グラティンデーン」「レッドブル」をアジア14ヵ国へ輸出販売しています。タイに2つの工場を、インドネシア、ベトナム、中国に3つの工場を持ち、年間総生産能力は10億リットルを超えます。
「グラティンデーン」はタイ初で世界で最も成功を納めたブランドとして認知されており、推定700億バーツ(2,500億円)の東南アジアのエナジードリンク市場でシェア40%を超えるマーケットリーダーです。40年以上にわたって成功を収めているエナジードリンクのパイオニアでもあり、いずれの国でもTO3に入るブランドです。
レッドブルビバレッジ(Red Bull Beverage)
レッドブルビバレッジはTCPの全ポートフォリオのブランディング、マーケティングおよび販売活動を目的として1988年に設立されました。
- Red Bull・Krating Daeng
- Ready
- Som Plus
- Sponsor・Life by Sponsor
- Mansome
- Puriku
- Riku
- Sunsnack
企業概要
英語名 | T.C. Pharmaceutical Industries Co., Ltd |
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タイ語名 | บริษัท ที.ซี.ฟาร์มาซูติคอล อุตสาหกรรม จำกัด |
本社 | バンコク |
創業年 | 1956年 |
創業者 | 許書標(ユーウィッタヤー家) |
業種 | 飲料・食品 |
売上高 | 1,000億円(2019) |
従業員数 | 5,000人 |
主要子会社 | TC Pharma・TG Vending・Durbell・HI-GEAR・TCP Incubator |
公式HP | |
SET銘柄 |
非上場
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