最終更新日 2021年4月23日 by タイランドピックス編集局
シティバンク(タイ法人)はタイ市場の個人向け銀行サービスから撤退することを発表しました。
ニューヨークに本拠を米多国籍金融コングロマリットであるシティグループは、1967年に初めてタイへ進出し、現在では100万人を超える顧客を抱える、タイで運営されている最大の外国資本の銀行として知られています。
2021年4月15日にタイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、中国、韓国、オーストラリアを含む東アジアとその周辺13か国でリテールバンキング部門を閉鎖する計画を発表しました。今後、正式なサービス終了期限を持って既存の個人口座及び各種カードを失うことを意味します。
先月銀行でトップの座に就いたフレイザー氏は、この動きは戦略的撤退だと語っています。
「他の13の市場には優れた事業の可能性がありますが、十分な市場規模はありません。私たちは、資本、投資ドル、その他のリソースが、ウェルスマネジメントやアジアの機関投資家のビジネスにおけるより高いリターンの機会に対してより適切に展開されていると信じています。」-CEO ジェーン・フレイザー氏
リテール部門の競争激化により、今後は収益性の高いウェルスマネジメント、トレーディング、プライベートバンキング、投資銀行業務など富裕層向け事業と法人業務に集中する述べています。
タイの一般個人向け口座「シティブルー」のサービスは一年ほど前に廃止され、現在は「プライオリティ(預入れ1Mバーツ)」がスタンダードサービスとなっています。
現在は最終的には地場の銀行へ移管されることは確実です。業界筋では、サイアム商業銀行による買収の可能性があると囁かれていますが、実際には世界13ケ国のリテールサービスを一括で売却する方針であり、タイの地場銀ではなくグローバル銀行の可能性が高いです。
もし、買収も見越して継続してシティ利用して続けるためには「プライオリティ」では難しく、富裕層向けの「シティゴールド(預入5Mバーツ)」が適しています。仮にタイのリテールが他銀へ売却されても、シティゴールだけはシンガポールシティへ引き継がれます。