最終更新日 2021年11月18日 by タイランドピックス編集局
タイ王国で外国人は金融機関の厳しい条件をクリアすれば住宅ローンを借りることができます。
今回は外国人投資家がタイ不動産に投資するため、タイ現地で利用可能な資金調達オプションを紹介します。
外国人が不動産ローンを組む方法
1. タイで労働許可証を持って就労し、オフショアローンを組む
一つ目は、在タイ企業で労働許可証(ワークパミット)を持って就労し、少なくとも1〜2年間の勤務履歴と給与受け取り履歴を作り、UOBやICBCなどの外国銀行から海外不動産ローンを組む方法です。地場の商業銀行は一般的な外国人向けのローンは提供しておらず、一部の外国銀行が対象となります。しかし、UOBなど銀行によっては年収600円以上を目安に審査を行う場合もあるので、一般的な現地採用の給与相場では難しいと言えます。一方で、駐在員や会社経営者であれば十分可能でしょう。タイ人向けローカルローンに比べて、融資条件や金利はかなり厳しくなります。
2. タイ人の配偶者と結婚する
2つ目は結婚ビザ・配偶者ビザ・婚姻ビザと呼ばれている”Oビザ”を取得して、保証人として地場の商業銀行からローンを組む方法です。この場合、自己名義ではなくタイ人配偶者が所有権を持ちます。タイ人配偶者と外国人保証人の両方が、タイ国内における安定した収入と良好なクレジットヒストリーを持つ必要があります。オフショアローンに比べて、融資条件や金利はかなり優遇されます。
3. タイの永住許可証(PR)を取得する
3つ目はタイの永住権を取得する方法です。タイでは40歳以上で、就労ビザ・家族ビザ・専門家ビザ・投資ビザのいずれかの保持者のみ、ビザとは別に”永住許可証”を申請する権利があります。年間100名までしか許可が下りないので難易度は高いですが、永住権保持者になれば、タイ人に近い融資条件でローンを組むことが可能になります。
4. 非居住者の場合は、外国の収入・金融資産をベースにオフショアローンを組む
4つ目は特殊なケースで、タイ国外で居住し収入や資産がある外国人投資家が、海外銀行からタイ国内の不動産取得を目的として国際不動産ローンを組む方法です。事実、タイで結婚や就労をしていない外国人であっても、審査次第で融資を受けられます。投資家の国籍が重要視されますが、日本人は優遇される場合が多いです。
不動産ローンを組む一般的基準
タイ国内で外国人が不動産ローンを利用する場合、一般的な条件は次のとおりです。銀行によって大きく異なります。
- 年齢:21〜55歳(ローン期間終了までに60歳超えない)
- 収入:良好なクレジットスコアと80,000THB – 140,000 THBの安定した最低月収(または毎月の分割払いの少なくとも3倍)
- 物件:バンコクまたはタイの主要エリア
- 融資額:政府の鑑定評価額または購入価格(いずれか低い方)の最大70%までの融資額
- 金利:タイ人向け金利よりも大幅に高い(約4%-8%)
- 回収期間:通常15年
外国人に住宅ローンを提供する金融機関
1. UOBタイ
UOBはシンガポールに本社を置くアジア有数の銀行グループです。マレーシア、タイ、日本、オーストラリア、英国などで、本国シンガポールから外国人向け国際不動産ローン(オフショアローン)を提供しています。タイで労働許可証を持って正規就労する外国人の場合、申請者の最低月収は140,000 THB(約50万円)で少なくとも2年間の勤続経験が必要です。また、タイに住んでいない非居住者の外国人投資家も不動産ローンを組むことが可能です。現在、コロナ禍においてシンガポールドル建ての金利が大幅に優遇されています。
- 対象エリア:バンコクまたは主要都市
- 対象物件:300万バーツ以上のコンドミニアム
- 政府の鑑定評価額または購入価格(いずれか低い方)の最大70%までの融資額
- ローン通貨:SGD、USD
- 回収期間:3年〜30年
- 最低年収(タイ居住者):USD 60,000 – SGD 72,000(585 – 660万円)以上
- 最低年収(タイ非居住者):USD 85,000 – SGD 100,000(815 – 930万円)以上
- 金利:4.04%〜6.44%
- 公式HP:UOB International Property Loans
タイでコンドミニアムを購入する場合、外国人がタイの現地銀行から住宅ローンを組むことが出来るのか? 基本的にタイの商業銀行は現地で就労している場合であっても、外国人向けのローンは取扱いがありません。しかし、外資系のUOB銀行タイに限ってはタイで就労している外国人、日本在住の日本人が不動産ローンを...
2. 中国工商銀行(ICBC)タイ
ICBCは中国の四大商業銀行の一つです。タイで不動産を購入したい外国人向けに、シンガポール法人からの国際不動産ローン(オフショアローン)を提供しています。ICBCは、中国、香港、マカオ、台湾、シンガポール、マレーシア、およびその他一部のアジア諸国からの申請を優先します。 タイで労働許可証を持って正規就労する外国人の場合、申請者の最低月収は80,000 THB(約28万円)で少なくとも1年間の勤続経験が必要です。また、タイに住んでいない非居住者の外国人投資家も不動産ローンを組むことが可能です。
- 対象エリア:バンコクとその周辺、パタヤ、プーケット
- 対象物件:250万バーツ以上の完成済コンドミニアム
- 融資額:150万〜1500万バーツ
- 政府の評価額または購入価格の60%〜70%(いずれか低い方)までの融資額
- ローン通貨:SGD
- 回収期間:3〜15年
- 金利:1年目5.25%・2年目5.75%・3年目以降SIBOR + 6.0%
- 公式HP:ICBC Foreigner Housing Unfunded Financing
3. 他のタイ商業銀行
カシコン銀行、サイアム商業銀行、クルンタイ 銀行、アユタヤ銀行など地場商業銀行は、タイ人配偶者と結婚している外国投資家に住宅ローンを提供しています。この場合、外国人は”保証人”としてのみ行動することができ、実際の契約はタイ人の配偶者の名前で行われるため、自分名義で不動産を所有することはできません。
制限がある一方で、外国人投資家はタイ国民として比較的魅力的な金利と融資条件を得ることができます。タイ人配偶者と外国人保証人の両方が、タイ国内における安定した収入と良好なクレジットヒストリーを持つ必要があります。
*最大手のバンコク銀行や英スタンダード・チャータード銀行は外国人向けローンは取り扱いを停止しています。
4. MBK保証(MBK Guarantee)
不動産開発会社MBKグループのMBK Guaranteeでは、タイに保有する不動産物件を担保に外国人向け住宅ローンを提供します。これはMBK保証が外国人投資家の財務記録と収入に基づいて審査が行われるのではなく、既にタイ国内に所有している不動産を担保に融資を行います。
MBK保証はタイで最も外国人に寛容な住宅ローンの選択肢と言えます。国籍は関係なく、労働許可証(ワークパミット)、タイ人配偶者など必要ありません。その他、外国での給与所得や金融資産などは考慮されます。他銀行の審査が2ヶ月ほどかかるのに対して、MBKは最短7営業日での資金調達が可能です。
- 対象エリア:バンコクまたは主要都市
- 融資額:100万バーツから
- 融資条件:政府の鑑定評価額または購入価格のいずれか低い方の最大50%の融資額
- ローン通貨:THB
- 回収期間:最大10年
- 金利: 5.25%〜6.25%
- 公式HP:MBK Condo Loans
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