最終更新日 2022年4月24日 by タイランドピックス編集局
タイ中華街の概要
200年以上の歴史を持つ世界で最も古い中華街の一つ。
タイ王国の中華街はバンコク都サムパッタウォン区のヤワラート通りを中心としたエリアです。ラタナコーシン王国の王都バンコクが設立された1782年より潮州系中国人移民の居住区が形成されました。
タイにおける中国人コミュニティは、現在の首都バンコクが設立される前から存在しています。12世紀から13世紀頃のアユタヤ王朝初期以来、中国人は現在の大宮殿の地域に住んでいました。1767年にアユタヤが陥落した後、潮州人のタクシン王がトンブリー王国を設立したとき、彼はトンブリーの新しい首都に米と食料を供給する際に、民族的つながりを共有した潮州商人の助けを借りました。その見返りに、彼はチャオプラヤー川の東岸、彼の宮殿の反対側、そして彼らのコミュニティを定住させるための市壁に囲まれた土地を含む多くの恩恵を彼らに与えました。
ラーマ1世が1782年にチャクリー王朝の首都バンコクに設立し、大宮殿を建設することを決定したとき、中国のコミュニティは2kmほど下流のソイサンペンに移転しました。この頃、中国南部の飢饉により、多くの福建省と潮州省の人々が東南アジアに移住しました。当時の華僑は今のように裕福ではなく湾港の荷受、道路工事、建築現場などの肉体労働に従事する貧しい労働者が大半でした。
当時、中華街はアヘン窟、賭博場、売春宿、ナイトクラブなどが集まるバンコクでも有数の危険な繁華街でした。これらの儲かる悪徳が繁栄するにつれて、違法取引を管理するために引っ越してきた中国の秘密結社やチャイニーズ・マフィアの三合会も繁栄しました。異なる中国の方言グループからのギャングの間で必然的に激しい競争が起こりまり、1889年この紛争は全面的なギャング戦争に発展しました。
その後、中国のコミュニティは貿易で繁栄し、中国からの移民がバンコクに殺到するにつれて徐々に成長し、勤勉さと華僑同士の結束力で財をなす者も増えました。第2次世界大戦の勃発やタイ政府の移民政策で多くの華僑が帰化を奨励し、タイで生まれた華人に自動的にタイ国籍を与える属地主義を導入し、移民はタイに同化し溶け込みました。
現在は中国文化の中心地として機能し、伝統的な商品を販売するショップが数多くあり、特に美食を求めて地元民や外国人が集まる観光地として知られています。また、近年は古い建物を改装したお洒落な人気カフェが続々とオープンし、アーリーやエカマイに並ぶカフェ激戦区としても有名です。
主要エリア
ヤワラート通り(Yaowarat St)
ヤワラート通り(中:耀華力路)は1.5kmに渡る中華街のメインストリートです。”若い王”を意味するヤワラートという名前は、ラーマ5世が息子である皇太子に敬意を表して授けたものです。ここはバンコクの中でも1、2を争うくらい賑やかなエリアで、コロナ禍でも平日、休日問わず一日中人が溢れています。特に中国正月、菜食主義祭りなど行事の際は街中がお祭りムードになります。
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Yaowarat Road
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人気中華チェーン「和成豊」の本店
ヤワラート通りのもう一つの魅力と言えば食の宝庫。歴史的な背景もあり、潮州料理のお店が多いです。フカヒレや燕の巣などの高級珍味をリーズナブルな価格で提供するお店も多いです。
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果物を売る屋台が多い赤門
夕方から続々とオープンする屋台街は食べ歩きで人気で、観光客は勿論、都心に住むタイ人もわざわざ足を運びます。コロナ禍で外国人観光客がいない中でも、地元民で賑わいます。
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夕暮れ時のヤワラート通りはネオンが美しい
ヤワラートと言えばアジア有数の金行街。数ある金行店の中でも4店舗を持つ最大手の振和興大金行が有名です。ここの社長は、タイの金業界団体の会長も務めるほど影響力を持っています。タイでは純粋資産として金を保有する場合、富裕層はインゴットを自宅などに保管する一方で、一般市民はファッションを兼ねて加工品を購入する文化があります。
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和成興大金行(Hua Seng Heng Goldsmith)
いつもの見慣れた大手商業銀行も中華街ならではの外観や中国表記が目立ちます。中でも、シンガポールに本拠地を置く華人系のUOB銀行は一際大きな建物で、中華街に住む富裕層向けVIPサービスを提供する部門も備えています。
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ヤワラート通りの銀行
チャルンクルン通り(Charoen Krung)
ヤワラート通りと平行するチャルンクルン通りは反対進行方向の一方通行車線で交通管理されています。2019年7月にMRTが延伸しMRT「ワットマンコン駅」が開業しました。
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MRT Wat Mangkon
2020年にはショッピングモール、ホテル、マンションからなる複合施設「アイムチャイナタウン」が開業しました。
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I’m Chinatown
サンペン市場(Sampeng)
チャイナタウンの起源として知られる細長いサンペン通りは、1892年にヤワラート通りが建設されるまではメインストリートでした。現在は卸市場として機能しており、多数の華人で賑わいチャイナタウンの活気の源を肌で実感できます。狭くて細長い路地にジュエリー、靴、時計からおもちゃ、布地、そして無数のエキゾチックな食べ物まで、あらゆる種類の商品を販売する店が軒を連ねます。
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Sampeng Lane Market
タラートノイ通り(Talat Noi)
バンコク初の港であり最初に移民が上陸したのが旧市街タラートノイ。アユタヤ陥落後に再定住したポルトガル人が設立した聖ロザリー教会、中国式住居ソーヘンタイマンション、タイ最古の銀行支店であるサイアム商業銀行(SCB)タラットノイ支店など、歴史的建造物があります。
自動車の中古部品が山の様に積み重ねられた路地、ストリートアートが描かれた古びた古民家の壁、「Patina Cafe」「Mother Roaster」などのお洒落なカフェなどが人気を呼び、写真好きの若者や外国人観光客の街歩きスポットになっています。
私が中華街でイチオシのカフェ「Patina Bangkok」☕️
バンコクのヤワラートに隣接する話題の”タラートノイ”に昨年末開業したカフェ。
中国式古民家を改装した店内はペンキが剥がれた歴史ある壁、錆びた鉄柵にモダンなバーカウンターが映えてます👌
また、奥に広がる中庭も良い味を出してますよ✨ pic.twitter.com/yguVXnK4bZ
— REI🇹🇭@タイランドピックス (@thailand_picks) October 2, 2021
また、2017年に開業した「Warehouse30」は大戦時に旧日本軍が使用していた古い倉庫を改装したコミュニティコンプレックスで、レストラン、カフェ、アート愛好家向けの展示会を備えた新しいクリエイティブスペースです。
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Warehouse30
ソイナナ通り(Soi Nana)
中華街の片隅、フワランポーン駅の近くにあるソイナナ通りは人気のバーやカフェが集まる新たなトレンドエリアです。かつては漢方問屋が並んでいた路地沿いに古い建物を改装した店内はどれも魅力的です。「TOT」「Asia Today」「TepBar」など”Asia’s 50 Best Bars”にランクインする人気バーが複数あり、夜になれば多くの外国人やトレンドに敏感なタイ人で賑わいます。
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Soi Nana
バンコクのお部屋・投資物件探し!
このエリアの土地購入価格は、タイで最も高価な土地の1つにもランクされています。チャルンクルン通り、サナムチャイ通りなどの周辺の土地価格は上がり続けており、1ライ当たり3~4000万THBにも登ります。チャイナタウンにはバンコクの初期の建築の多くの例があり、地区内の建物の約14%が歴史的建造物に指定されています。伝統的な街並みを残しながらも近代化の波が少しづつ押し寄せるヤワラートエリアは観光地整備が進む再開発エリアです。
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