タイ「永住権」の解説|結婚・投資・就労ビザからの取得

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最終更新日 2021年11月18日 by タイランドピックス編集局

タイ永住権の概要

タイ王国永住権(英:Permanent Residency)とは、4種類のノンイミグラントビザ(就労ビザ・家族ビザ・専門家ビザ・投資ビザ)のいずれかを3年連続で保持する外国人が、一時滞在の延長申請なしにタイに永住することができる権利です。入国管理局から発行される紺色の永住許可証(居住証明書)に加えて、警察署でタイ人が所持する身分証明書に相当する赤色の外国人登録証が発行されます。通称PRとも呼ばれます。

タイの永住権はビザとは別物であり、永住権保持者はビザに紐づいて永住許可証を保持します。永住権者の子供は家族ビザに基づいた永住権と市民権を取得できますが、20歳で失効します。

永住者に提供されるメリットは数多くあり、外国人はビザの年次延長・滞在申請、TM30に準拠した90日レポートの必要がなくなります。更に、永住者はタイの不動産を購入するために海外から資金を持ち込む必要がなくなり、タイの銀行からローンを借りるのが簡単になります。

タイでの永住権付与の年間割当ては国ごとに最大100人と制限されており、申請から実際に取得するまでには1年〜3年かかると言われています。国籍を失わないうえに多くの権利を与えられるため、多くの外国人が永住権の取得を求めています。タイへの移住を本格的に考えている方は、永住権の取得条件やそのメリットを検討しておきましょう。

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永住権のメリット

  1. ビザの更新が不要になる
  2. 90日レポート(居住地報告)が不要になる
  3. 永住権取得後5年経つと帰化申請の権利が発生する
  4. 労働許可証(WP)の取得要件が大幅緩和される
  5. 外国人でも地場銀行で不動産ローンが組める
  6. タイのコンドミニアムを海外からの送金無しで購入できる
  7. タイ人と同じ青色の住居登録証(タビアンバーン)を作成できる
  8. タイの公開会社の取締役になることができる
  9. 空港出入国時にタイ人カウンターに並ぶことができる
  10. 両親の双方がPRを取得している場合、その子供はタイ市民権を取得できる

 

申請条件

タイの永住権は誰でも申請・取得できるわけではありません。①タイに投資している者、②タイ国内で就労している者、③タイ人配偶者または家族がいる、④タイに恩恵をもたらす特殊技能者である、ことを証明するノンイミグラントビザを取得している人のみ申請・取得することができますまた、申請日から遡って3年間、同一ビザで継続してタイに住んでいることも必要です。

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基本的には就労ビザ、配偶者ビザを取得している人が対象となります。ノンイミグラントビザ(Oビザ)の中でもリタイヤメントビザ(年金ビザ)ロングステイビザ(退職者ビザ)ロングステイ10年ビザなどは対象外です。また、最大20年のエリートビザが発給されるタイランドエリートプログラムも同様に不可です。

具体的には以下の4種類のいずれかのビザを取得している必要があります。

ビジネスビザ Non Immigrant B

■取締役
・登録資本金が1000万バーツ以上の会社
・月収平均が5万バーツ以上(直近2年間)
■一般社員
・同じ企業で就労している(直近1年以上)
・ワークパーミットを保有している(直近3年以上)
・月収平均8万バーツ以上もしくは年収10万バーツ以上(直近2年間)

投資ビザ Non Immigrant IB

■外国から1,000万THB以上の送金をして投資をした人
・株式市場への投資
・国債もしくは国営企業債への投資
・株式市場・公開株式会社への投資・出資
・コンドミニアムの購入

結婚・配偶者ビザ Non Immigrant O 

■扶養家族等
・タイ国籍保有者の子供・父母・配偶者、タイ永住権保有者の子供・父母・配偶者
・タイ人配偶者がいる場合、子供がいれば結婚後2年以上、子供がいなければ結婚後5年以上経過していること
・タイ人配偶者がいる場合、直近2年間の月収が3万THB以上であること

特殊技能ビザ Non Immigrant EX

■特殊技能を有する専門家
・タイ国内で就労している(直近3年以上)
・学士号以上の学歴を有している
・業務内容に見合った能力やタイにとって有益な能力を有している

 

料金・費用

申請費用と取得費用に分かれています。

1. 申請料 は1人には、7,600バーツで、許可の有無に関わらず返却しない。

2. 永住許可がおりた場合、永住許可証の手数料として191,400THB(約66万円)、永住許可証を所有している外国人の子供で20才未満、夫妻のうち片方が外国人、又は夫妻のうち片方が外国籍で、その間に生まれた子供で20才未満の場合は95,700THB(約33万円)。

 

永住権取得方法と申請プロセス

申請

永住権申請の受付期間は、毎年12月から1月のうちの約2週間に限られています。バンコクに居住する外国人は、チェーンワッタナーの入国管理局で申請書を提出することができます。パタヤチェンマイなど首都以外に住んでいる申請者は、自分の州を管轄する入国管理局に連絡する必要があります。

申請結果の発表

申請が受理されると180日間のビザが発給されます。その後、申請の結果が発表されるまで、追加で180日間の延長が認められます。

面接

入国管理官が面接の予定を立てる前に、申請から2~4ヶ月待つ必要があります。面接は申請者のタイ語の口頭および書面による理解のテストが含まれます。タイ語力のチェックを兼ねており、経歴、タイ文化の理解、申請動機などが尋ねられます。 担当者によっては複数回行われることもあります。ある程度のタイ語力は必須となります。

評価

その後、内務省、外務省、投資委員会、警察庁などの複数の政府機関の代表者で構成される入国管理委員会によって、申請書が審査評価され、ポイントが付与されます。合格には100点満点中50点以上を獲得する必要があります。

タイ入国管理局はポイントシステムの仕組みを公表していませんが、教育、収入、知識、スキル、タイ市民との関係、タイ語の流暢さ、性格、態度、タイ社会への貢献度合いなどが考慮されます。また、慈善団体の会員であり、定期的に寄付をすると追加ポイントも獲得できると言われています。

最終承認

評価に合格すると、申請書は内務大臣の最終承認を得るために転送されます。評価全体と最終承認プロセスには、一般的には1年以上かかることが多く、場合によって3年以上かかることもあります。

永住証明書の取得

申請が承認されると、入国管理局から居住証明書の取得方法の詳細が記載された手紙が届きます。 地元の入国管理局に行き手数料を支払い永住証明書(白または紺の表紙)を取得します。

外国人登録・住居登録申請

永住権受領から1週間以内に、住居登録のある警察署での外国人登録を行い外国人登録証(赤い表紙)を取得します。続いて、外国人登録証の受領から1週間以内に、区役所で住居登録の申請を行い住居登録証(タビアンバーン)を取得します。

また、永住外国人は、住居登録証に名前が記載されて13ケタのタイID番号が付与されると、任意でタイのIDカードの取得も可能になります。自動的に発給されるわけではなく、区役所で自ら取得手続きを行います。

 

必要書類

タイ国内で就労している人の必要書類

      1. パスポートとコピー
      2. 申請書、経歴書、健康診断書、無犯罪証明書、卒業証明書のコピー
      3. ワークパーミット原本と全ページコピー
      4. 2年間分の所得申告書(年間10万B以上納税証明)、3年間分の個人確定申告書
      5. 会社の登記証書や財務諸表
      6. 自宅と職場の地図と写真を数枚
      7. 申請料7,600B(申請時)
      8. 証明書発行手数料191,400B(受領時)

 

タイ人配偶者がいる人の必要書類

  1. パスポートとコピー
  2. 申請書、経歴書、健康診断書、無犯罪証明書、卒業証明書のコピー
  3. タイ人配偶者との結婚証明書のコピー
  4. タイ人配偶者の身分証明書と住民登録証
  5. 就労している場合は、会社の登記証書や財務諸表、ワークパーミット原本と全ページコピー
  6. 2年間分の月3万B以上の収入証明
  7. 自宅と職場の地図と写真を数枚
  8. 子供がいれば子供の出生証明書
  9. 申請料7,600THB(申請時)
  10. 証明書発行手数料95,700THB(受領時)

 

永住権の更新

永住権取得後はビザの更新が不要になります。永住権申請中は更新が可能です。

 

注意点

制限事項

永住権を取得しても外国人としての制約が残ります。タイ国籍者と同等の権利を得たい場合にはタイに帰化する必要があります。

  • 364日以上連続してタイを離れることはできない
  • タイの選挙権を取得することはできない
  • タイで働くときはまだ労働許可を取得する必要がある。ビジネスビザを取得する必要はなく簡単
  • タイを離れる前に、再入国許可を取得する必要がある(1回1,000THB、複数回3,800THB)
  • 自分名義で家や土地を買うことができない
  • 地元の警察署で5年毎に通知する必要がある

永住権の維持

タイ永住権は一度取得してしまえばその維持は簡単です。他国のように数年毎の定期資格更新や年間の最低国内滞在日数はありません。警察署が発行する外国人身分証明書を5年に1回、管轄の警察署で延長するだけです。費用は800THB。

申請したビザステータスの変更

タイの永住権は申請時には必ず4つのノンイミグラントビザにうちどれか一つに紐づいていますが、その後ビザ条件に変更があった場合でも永住権は保持できます。例えば、タイ人妻との結婚による配偶者ビザで永住権を取得した場合は、タイ人妻との離婚や死別した場合は永住権は消失するのか?また、就労ビザで永住権を持っている人が会社を辞めた場合も永住権を失うのか?答えはNOです。永住権を取得した後に就労ビザで申請した人が離職して無職なっても、配偶者ビザで申請した人が離婚しても、永住権は全く問題なくそのまま維持できます。

海外渡航の際のリエントリーパーミット

永住権保持者はパスポートのみではタイを出入国できません。国外へ出かけるたびに、日本パスポート、永住権許可証(白または紺表紙)のセットを持ち歩かないといけません。特に、永住権許可証は一度タイ国外へ出ると無効になるで、パスポートと合わせてタイ国外へ渡航する場合は都度リエントリーパーミット(再入国許可)を取得する必要があります。

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実は永住権保持者にはリエントリー・パーミットの代わりにノンクォーター・イミグラントビザが発給され、パスポートに押印されます。タイ国外に長期間滞在していても、その後タイに戻る意志があることを示すことで、永住権を保持できるシステムです。シングルとマルチの2種類があり有効期間は1年間です。空港のリエントリー発給デスクではなく市中の入国管理局で事前に取る必要があります。これを怠ったままタイを出国すると永住権はその時点で失効するので注意が必要です。

 

タイ永住権の相談・サポート

タイ専門ビザコンサルタントとして、これまでに多くのタイ人のビザ申請業務を担ってきたスタッフチームがサポートします。ノンイミグラントビザ Bビザ(就労ビザ・業務ビザ)、Oビザ(タイ人の家族ビザ)やO-Aビザ(ロングステイビザ)などの実績が豊富で、タイ国内のタイ国労働省に対するワークパーミット申請手続(労働許可取得手続)やタイ国内における各種ビザ更新手続のフルサポートサービスも提供いたします。

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タイランドエリートビザの相談・サポート

タイの永住権取得は条件が厳しく、世界的にも取得難易度が高いです。そこでタイに長期間滞在されたい方にタイランドエリートをおすすめしております。タイランドエリートは、タイの法律に基づいたタイ外国人長期滞在プログラムです。メンバーにはタイ長期滞在に最適な5年マルチプルビザが発給され、メンバー期間に基づいて最長20年のタイ長期滞在が可能になります。

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